登場作品:クレナイノツキ
天狗と鬼の国盗り合戦で
曲木村を代表して戦った総領であり、
鬼神。千年にわたり村を率いてきた。
音無朱梨の兄で
帆鳥の伯父にあたる。足柄山の「金太郎」のモデルとなったという。
蛇身を倒し、
穏の石刀を神域として治めた後、全国から鬼たちが金武を慕って里に集まって来たとされ、金武も鬼たちに人間との共存を説いていった。
20年前に天寿を迎えた際、秘儀「
終儺の儀」に失敗して
可畏となり、
鷺宮燿を始めとする56人の村人たちの命を奪った。天狗側には239人もの犠牲者を出し、昔契りを結んだ
流迦を
乙女峠で強奪した。この時のショックで流迦が産気づき、生まれたのが
烏丸紅矢である。
現在は穏の石刀に幽閉され、妹の
音無朱梨に封じられている。
金武が唯一案じていたのは一人残された紅矢のことだった。可畏となったのは儀式の最中に蛇身からずっと裏切られたと思っていた流迦との間に自分の子供が宿っていると指摘され、心が動揺したからである。別れて以後800年間金武は流迦への未練が立ち切れなかった。それだけに流迦が自分を裏切っていなかったことを知って狂喜したのだという。生まれたばかりの紅矢に
真角を託し、自らは可畏となった後も蛇身と戦い続け、蛇身の僕として
返りを起こした村人を人知れず倒して処分している。