素人系総合 wiki - 御波あや

御波あや【みなみあや】

CV:金田まひる?/登場作品:誰かのために出来ること

 転校生。朝食を買いに出た相場貴也と偶然ぶつかり、出会う。方向音痴であり(本人は「目的地までの方向感覚をちょっと見失ってしまった」「原因不明の位置情報把握能力欠損症状」という表現をしている)、貴也に学校への道を教わって別れたにも関わらず、始業時間を過ぎてもまだ教室に到着していなかった。出会って3日目の日曜日に突如貴也の管理するアパートに引っ越してくることになる。
 背が低くてとても小柄である。快活にしゃべり、最後に「冗談です」という言葉をよく使う。機敏なところがあり、貴也とエアホッケーをした時はボロ勝ちしていた。
 食欲旺盛である。マヨラーを公言しており、実際何にでもマヨネーズをかける。コロッケにはマヨネーズをかけるものだと信じて疑わない。牛乳を摂取すると胸が成長すると言われるが、牛乳が苦手なため、マヨネーズで代替しようと思ったことがマヨラーとなったきっかけであるという。ただし、マヨネーズは牛乳を使っていないことには気づいていなかった。貴也によると好物はポテマヨサラダ。食後には錠剤を飲むように指示されている(後述を参照)。
 無駄に経済観念がしっかりしており、安売り情報に対する食い付きが良い。しかし、一方でUFOキャッチャーや金魚すくいなど一度夢中になると惜しみなくお金を使う傾向がある。
 両親はおらず、小さな雑貨屋が一件くらいしかない田舎町から上京してきたという(この点も後述を参照)。ファミレスに入ったことがない。携帯は持っておらず、ネットに触れたこともない。また暖房便座の存在を知らなかった(新宮未鈴の家は暖房便座付き)。便座カバーには深いこだわりがあり、貴也のアパートに便座カバーがないということは耐えることのできない衝撃だという。ゴキブリは前からよく退治しており、見ても全く怖がらないどころか箒で叩き落とせるほどの技量を持つ。
 一昔前の流行を好む傾向にある。初めて経験することになるカラオケでは、八十年代後半から九十年代初めという微妙に古い楽曲を選曲していた(ただし、歌や振り付けは上手)。また、その頃に放映していたアニメのキャラクターであるうさぎのぬいぐるみがお気に入りであり、貴也がUFOキャッチャーで取ってあげると大喜びしていた。
 一方で新しく触れるものにもよく興味を示す。携帯を持つようになってからはカメラで写真を撮るのが日課のようになり、またレンタル店から借りてきたDVDで映画やアニメを見ることに夢中になっている。
 勉強はあまり得意ではない。授業中に寝ることもあるぐらいだが、「バブルの崩壊から現在に至るまでの時代の流れ」には興味を示しており、実際に非常に詳しい。7月7日の七夕の日には短冊に「原油高が止まりますように」との文章をしたためた。また、もう1枚用意した短冊には「白馬に乗った生青年実業家(二代目)が、私を迎えに……」と書いており、妙に現実的な考え方をすることがある。
 料理はうまくない。炊飯器で炊いたにもかかわらず米とお焦げが3:7にとなってしまい、本人も「白米と水だけでイカ墨ライスを作る方法を、見つけてしまったのか」と思ったという。何とか炊けるようになるなるまでに米代だけのためにクーラーを買えるだけの金額をつぎ込み、「お焦げのソムリエ」を自負してもよいくらい「一週間で日本一お焦げを食べた人間」(本人談)になったらしい。
 声色を変えるのが上手い。クラス担任の声色を忠実に再現することができる。
 以前にこの街に住んでいた記憶はないが、貴也のアパートから学校周辺にかけて「何となく見覚えがある風景」が続いているという。とりわけ白柳邸のある一角は特に既視感があり、毎日一日の終りに屋敷の前で立ち止まってしまう。
 (以降あやルート)急に雨足が強まった夜、いつものように貴也と見ようとDVDを借りてきた帰りに、白柳邸の前で倒れて中に運ばれた。そこで見つけた遺影の女性が二十年以上前に亡くなった娘であると屋敷の主から聞かせられ、とても悲しい気分になった。「私はあなたがいい子でいてくれれば、それで十分なの」と語りかける母の声が、自分自身も忘却していた声が耳の奥に甦ってくるようだった。位牌に刻まれた白柳雅の文字を見て、遺影の写真を見て、「大きくなったらお母さんを抱きしめてあげる」という約束を果たせなかった自分を詫びるようにただただ嗚咽が止まらなかった。そして無意識のうちにうさぎのぬいぐるみを抱えて微笑む母の遺影を手に取って持ち帰ってしまう。
 その日の夜、貴也とあやは交わることになる。夜が明けて貴也に「いい子」とは何かと問い、その時以来「いい子」を実践しようとするあやの姿がよく見られるようになった。物憂げなどことなく寂しそうな顔を見せながら。
 普段あやが身に付けているポシェットには「MINAMI AYA」と表記されたビニール紐が入れられている。そこに思わず持ちだしてしまった母の遺影も加わるようになった。
 あやは二十数年前土砂崩れで村全体が壊滅した時の唯一の生存者であったという。父と二人で村に暮らしていたあやは病院に運ばれ、一命はとりとめたもののそれまでの全ての記憶を失っていた。ビニールの紐はあやの現実との唯一の繋がりだった。
 事件以来昨年目覚めるまで二十年近くずっと昏睡状態にあり、その間は成長が止まっていたという。成長が止まっている間は不老状態にあったともいえるわけで、研究者や製薬会社など多くの関係者の関心を呼び、昏睡中も手厚い看護を受けた。更に施設の整った海外の病院へ行くことが決まり、受け入れ先の病院が準備する期間だけ高校への転入を許されたのだという。転入は学校生活というものを送ってみたいというあやの希望であったが、転入先が貴也の学校だったのは特殊な存在であるあやを隠すほど平凡極まりない高校だったことも影響している可能性がある。
 町の景色に見覚えがあったのは幼い頃にこの町に住んでいたことがあったから、そして廃校になったこの町の学校を舞台にした小説を読み、興味を持って調べたことがあったから。町の写真をしきりに撮っていたのは、風景を見て感じることで失った記憶を取り戻せるかもしれないと思ったから、そしてたとえ町から離れても写真があれば貴也たちとの日常を思い出せるかもしれないと思ったからである。
 町を立つ前日の夜にあやはポシェットに入れていた母の遺影を白柳邸に返却することを決意する。自らが孫であることを秘して屋主に会いに行ったが、警備に止められ、貴也の必死の土下座での懇願が実って何とか白柳邸に入ることを許される。そこで白柳から雅が娘に名付けた名前が「白柳みなみ」であることを打ち明けられた。ビニール紐に書かれた「MINAMI AYA」という文字は本来は「MINAMI SHIRAYANAGI」であり、「SHIR」と「NAGI」の文字が土砂で擦れて消えてしまったことが判明する。
 町を立つ8月31日。母を抱きしめる約束を果たせなかったことを未だに嘆くあやは貴也から一枚の写真を手渡される。そこには遺影そのままの母を抱き寄せる(ように合成した)あやの姿が映し出されていた。
 季節は流れる。あやと別れて一年が過ぎた夏の日。卒業したらもうアパートを引き払おうかと不動産屋の広告を眺めていた貴也は再びあやと再会する。あやの成長が普通の人と同様の速度にまで高まったため日本に戻って来ることができたのだという。原因は医者でも不明だったが、看護婦さんによると「好きな人が出来たから」「女の子から女に変わったから」だという。


セリフ

「世間の意見に流されて自分の意見を見失ってしまう。それはあまり良い傾向では無いと思うんですが」
→世間一般では道に迷ったというと貴也に言われて。

「……夢は大切だと思いますよね?」「考えてもみてください。今、存在する完成形よりも、今は未完成でも、将来という未来が広がっている存在……」「私は、後者の方に価値観の重きを置きたいのです」
下村圭一の携帯に映し出された露出したナイスバディな女性と自分を見比べて。

「……機械に頼ってばかりだと、人間ダメになりますよ」
→自分の分のデザートの料金計算結果を否定されて。

「すごいですね…科学の進歩はいつの間にそんな地点まで、到達してしまったのでしょうか」
→暖房便座というものがあることを知って。

「人と親しい関係を築き上げる。それはとても大切なことだと思うんです」

「大切な人が辛い思いをするのは……もう、イヤなんです……。何とかなる可能性が少しでもあるのなら何とかしたいんです……」(未鈴ルート)

「食い物の恨みは恐ろしい、腹が減っては戦が出来ぬ。その言葉を覚えておいていただければ幸いです」
→昼食抜きの危機に。

「私の体は私の物であっても、私の物ではないんです」

「今まで通りあやと呼んでください。これまで私は御波あやでしたし、そしてこれからも私は御波あやですから」


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