素人系総合 wiki - 広沢柚理

広沢柚理【ひろさわゆずり】

CV:このかなみ?/登場作品:誰かのために出来ること

 1年。相場貴也の一年下の後輩。一人っ子で親戚はいない。声はか細いが、論理的に物事を語る女の子。感情は本来豊かだが、それを表現するのが少し苦手なところがある。貴也と同じくアイス抹茶スイカミルクティーを好む。義理堅い性格で、これを貴也に奢ってもらった時には代金分を返そうと何度も試みている。
 人と話すことはあまりなく、南雲綺更がほとんど唯一の友達である。もちろん男の人と話すことはほぼ皆無なので、柚理が貴也と話していることはクラスメイトでもある綺更にとって「天変地異の前触れか」と思う程だったという。
 放課後になると化学実験室で実験をしている。家の関係で小さい頃から薬品に馴染んでおり、小学生の頃にアメリカで薬剤師の資格を取得している。寄付金を納めていることもあって、学校からは直々に化学実験室を使ってもよい許可が出ているのだという。
 今の高校に入ったのは化学専門の学校に行くと目立ってしまうため。模試などの中央値が日本全国の高校の中央値と一致するというごくありふれた高校だからこそ隠れ蓑として最適だと判断した。
 低血圧であり、5〜6時間目はいつも寝ている。寝起きの時はどことなくボーッとした状態になり、物事を覚えていないことが多く、羞恥心もなくなってしまう(後述参照)。
 商店街の裏路地にある会員制の薬局でよく薬品を買い、日々開発に勤しんでいる。特許をたくさん取得しており、薬品特許代だけで7億円の預金を保有している。
 実験に命を燃やしており、様々な環境下で実験を繰り返すうちにマイナス30℃から80℃くらいまでは平気で耐えられる体になったという。基本的にインドア派で部屋にこもって研究をしていることが多い。泳ぐのは苦手である。
 作る薬は幅広い。「鳩を招くフェロモン」や薬を均一に浸透させる「均一浸透液」から日焼けオイルや日焼け防止クリームに至るまで全て自作している。ただし効果がありすぎるために副作用があるものも多い。日焼けオイルは紫外線の滅殺を防止し、その効果を高めたものだが、通常1時間以上の照射を受けると肌が焼却する可能性がある。また、日焼け防止クリームは日焼けの原因であるメラニンの紫外線許容量を大幅にアップさせたもので、長く塗っていると洞窟で暮らすのと同じ弊害が体に起こる可能性があるという。
 綺更によると柚理の実家の部屋は本がいっぱい並び、人体模型図や骨格標本が置かれているという。フラスコをやかんやポット代わりに、またビーカーをコップとして使用する。ネズミや虫には全く抵抗がないが、幽霊は化学的に説明できない不確かな存在であるため苦手である。
 毎日自作の弁当を持参している。一度貴也の拒絶反応を確かめるためにわざと化学物質をふんだんに使った弁当を作ってきた。グリシンを加えて時間が経っても炊き立ての甘味を堪能できるようにした米や、チキンパウダーと大豆抽出のたんぱく質を練り合わせてグルタミン酸ナトリウムで味付けをした「チキンナゲット」、イノシン酸やグルタミン酸に松茸の香料を組み合わせた松茸風のお吸い物などが登場する。どれも元々自然界にある成分で、人体への影響はないという。
 リン脂質が豊富で抗酸化作用があるスルメイカが大好物。特に足の部分が一番おいしいという。
 専用ルートでは期末試験開始の日に柚理が貴也のアパートに引っ越してくることになる。試験が終わり、柚理は本格的に新薬作成に没頭するようになる。睡眠2時間・食事はサプリメントという無理な生活が祟って夏休みの序盤に早くも高熱を出して倒れてしまった。その後も薬の作成に没頭し、夏休みの終盤に再び倒れる。
 両親は大手製薬会社の研究員であった。6歳の時、柚理は初めてその研究を手伝った。父の研究ノートから偶然思いついた理論を実験して成功し、両親から褒められたことがきっかけで研究にのめり込むことになる。しかし、褒められるために始めた柚理の研究はやがて生活の一部となり、いつしか両親は柚理の研究だけを頼りに遊んで暮らすようになる。柚理の研究結果と薬の精製方法の特許を売却して莫大な金銭を得るようになり、もはや柚理は「お金を生み出すモノ」としか見られなくなってしまった。両親と喧嘩して家出し、今ではもう化学なんて捨ててしまいたい、広沢という名字すらなくしたいと思っているという。
 そんな柚理にとって最大の懸念は綺更の存在。綺更は明るく振る舞ってはいるが、実は末期の癌を患っている。医者すらもお手上げの状態であるが、命を救ってあげたいという一心から睡眠を削ってまで新薬の作成に没頭するようになった。研究の手助けにと自作の「閃きを増幅させる薬」を普段から服用した。それは一つのことだけ集中力を極限に高めるが、他のすべての事象に対して散漫になる性質を持った薬であり、寝起き時の性格の入れ替わりや記憶の行き違いはこの薬が原因だという。
 薬の開発はずっと綺更には内緒にしていた。夏休みが終わり、綺更は治療のために渡米することになる。結局薬は完成しなかったが、貴也から柚理が寝る間も惜しんで薬を作成していたことを聞かされた綺更は無理を押して柚理に別れを言いに来る。最後まで努めて気丈に振る舞った綺更は別れ際に柚理に一冊の本を手渡す。その中には便箋が折りたたまれており次のように書かれていた。
 「しんじらんなかったよ。先輩とゆっちーが付き合うなんて」
 「にほんを発つ前に、目標を達成できて感無量って感じかな」
 「ただし、私が帰ってくる前に別れてたりしたら許さないよ」
 「くらくを共にして、頑張ってね」
 「なこうどとして結婚式に出てあげるからね」
 「いつまでも、幸せにね……綺更より」
「しにたくない」それは綺更から柚理への精一杯のメッセージだった。


セリフ

「人間の感情です。化学では計算できません」
→貴也に好きなのか問われて。


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