素人系総合 wiki - 鷺宮神社

鷺宮神社【さぎのみやじんじゃ】

登場作品:クレナイノツキ

 天暦十年(956年)に開かれ、1000年以上の歴史を持つ。しかし、延喜式に載っていない社外社なので格式は高くないという。拝殿の中は梁と天井の間の欄間に精緻な彫刻が施されているほか、壁には「神の魔除け」の壁飾りが掛けられている。また、絵馬の絵具や室内の装飾には本物の金が使われている。
 祭神は軍神(鬼神)だとされる。昔まだこの地に村がなかった頃、山の奥には化け物の住む岩屋があり、そこから毎年大みそかになると大勢の妖怪や魑魅魍魎が湧き出しては付近の村々の住民を苦しめていた。中でも凶暴なのが蛇身(鏡ヶ淵の蠎蛇)と呼ばれた大蛇である。村々では4年に一度蠎蛇の荒御霊を鎮める人身御供をすることで村へこれ以上の被害を及ぼさないようにしてきた。
 ある年、とある村の若い娘が人柱に差し出されることに決まり、現在鷺宮神社がある場所に生えていた大銀杏の根元に縛り付けられた。許嫁の男は闇夜を裂いて大銀杏へ向かったが、物の怪達に化かされて足元を見失い、沢に転落して足をくじき、身動きのとれない状態になった。あわや襲われるという時に若侍(金武)と白拍子姿の女(音無朱梨)が現れる。男の願いを聞き入れた二人は、人柱の少女を救うべく大銀杏へ向かう。白拍子の女が少女の身代わりとして大銀杏に立ち、その隙に若侍が蛇を切り捨てて少女を無事救助した。少女によると助けてくれたのは二人連れの鬼だったといい、鬼たちは「ここに我を祀ればこれより千年の間この地を守護し、地獄よりあふるる魑魅魍魎どもから村を守る事を約束する」と言い残したという。
 村人たちはこのことを近隣の村々にも知らせて肥沃な土地のあるこの地に新たに村(勾の里曲木村)を築くようになり、また、大銀杏があった場所に社を建てて二人の鬼を村の守護神としたという。生贄から救われた娘は後に神社の巫女となり、鷺宮家の祖となったとされる。
 拝殿から左に伸びる回廊の絵馬や欄間には上記に述べた神社の縁起にまつわる大蛇退治のことが描かれており、拝殿から右に伸びる回廊のそれらには収穫を祝う人々のほか、村に攻め入り火を付ける人間と、空から地上の人間に矢を射かける翼のある人々の様子が描かれている(天狗と鬼の国盗り合戦を参照)。
 社務所と拝殿は廊下で繋がっている。社務所は綺麗に片付いており、足下は掘り炬燵のようになっている。社務所には鷺宮史書氏子評伝のほか多くの神社にまつわる記録が残されている。
 神社は神仏混淆であり、埋葬する墓地も敷地内で管理している。墓地の中でも立派な墓石が4つあり、それぞれ「鬼武」「熊武」「鷲王」「伊賀瀬」(四鬼会を参照)と刻まれている。墓の周りには何かの石を削って磨いた半円形の鉢のような石に2センチほどの短い円錐形の突起が付いたもの(鬼の角を参照)が所狭しと並べられている。また、遺骨はなくどの墓も空になっていることが特徴である。
 参拝者が意外に多く、そのほとんどが2〜3ヶ月に一度のペースで訪れるリピーターである。中でも上の4家の奉納額は桁はずれであり、少なくも千万単位、多い時には億単位の額が奉納されており、また毎月多額の支出(月八千万円ほど)がなされている。
 蔵の箪笥には引き出しと背板の間の隙間に白い布にくるまれて鬼の腕を模した小手が隠されており、小手の先にはどこか生臭い血が付着している。また同じく蔵にある押入の引戸を開けると古い衣装箱と鷺宮燿が着ていたと思わしき上質の千早が収められている。千早の胸の部分はぱっくりと裂けており、そこに夥しい血の黒ずみが付着している。
 本殿は四畳半ほどの小さな部屋で、中央に小さな祭壇があり、真中に銀色に輝く鏡が置かれている。祭壇の上、本殿の壁いっぱいの幅には「鬼の包丁」と呼ばれる巨大な刃物が掛けられている。
 母屋の地下には座敷牢が作られ、そこに蛇身の魂が収められている。


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